国際論壇レビュー
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「トランプ現象」の本質(上)「オルト・ライト」という潮流

会田弘継
民衆を熱狂させるこの「現象」は本格的、学問的に分析する必要がある(C)AFP=時事

 

 いよいよ共和党ドナルド・トランプ、民主党ヒラリー・クリントンの一騎打ちだ。米大統領選が9月から本選に入る。このところ世論調査でかなり劣勢となったトランプ陣営は選対本部幹部を刷新して陣営の立て直しを図った。クリントン陣営はトランプを「人種差別主義者」と厳しく断罪し始め、一挙に追い落としを狙っている。現時点の世論調査ではトランプは敗北必至だが、たとえトランプが敗北しても「トランプ現象」は続く。アメリカ政治・社会のいくつもの根源的な問題が表出したからだ。

 そんな中で、人種差別問題も含めて、この1年吹き荒れてきた「トランプ旋風」の意味をより深く探ろうとする知識人たちの動きも活発になっている。この現象はアメリカ(思想)史の中でどう位置づけられ、どんな意味を持つのか。ポピュリズムとか「反知性主義」という概念に安易に寄りかかるだけでなく、アメリカの民主主義や自由がどのような隘路にさしかかっているかを考え、どう乗り越えていくべきかを探る。そうした論争が保守派知識人を中心に動き出している。

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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