国際論壇レビュー

「トランプ現象」の本質(上)「オルト・ライト」という潮流

民衆を熱狂させるこの「現象」は本格的、学問的に分析する必要がある(C)AFP=時事

 

 いよいよ共和党ドナルド・トランプ、民主党ヒラリー・クリントンの一騎打ちだ。米大統領選が9月から本選に入る。このところ世論調査でかなり劣勢となったトランプ陣営は選対本部幹部を刷新して陣営の立て直しを図った。クリントン陣営はトランプを「人種差別主義者」と厳しく断罪し始め、一挙に追い落としを狙っている。現時点の世論調査ではトランプは敗北必至だが、たとえトランプが敗北しても「トランプ現象」は続く。アメリカ政治・社会のいくつもの根源的な問題が表出したからだ。

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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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