中国の圧力に「4つのノー」で答えた蔡英文の気概

執筆者:野嶋剛 2016年10月14日
エリア: アジア
この「建国記念日」演説でも堂々たる自説を述べた(C)EPA=時事

 

 台湾の蔡英文総統が9月下旬から10月上旬にかけて、着任から100日という政権としては最初の節目となるタイミングで、注目されている対中政策に対して重要なメッセージを相次いで発した。中国が執拗に求める「1992年合意」(1つの中国を認めながら、その解釈は中台双方で異なる)の承認をめぐって、中国人観光客の制限や対話窓口の封鎖、台湾の国際機関への参加阻止などの「制裁」措置を中国が繰り出し、圧力をかけていることに対し、「中国への善意は失わないが、圧力には屈しない」など「4つのノー」という形ではねつける女性総統の気概を見せた。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
野嶋剛(のじまつよし) 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に『イラク戦争従軍記』(朝日新聞社)、『ふたつの故宮博物院』(新潮選書)、『謎の名画・清明上河図』(勉誠出版)、『銀輪の巨人ジャイアント』(東洋経済新報社)、『ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち』(講談社)、『認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾』(明石書店)、『台湾とは何か』(ちくま新書)、『タイワニーズ 故郷喪失者の物語』(小学館)、『なぜ台湾は新型コロナウイルスを防げたのか』(扶桑社新書)など。訳書に『チャイニーズ・ライフ』(明石書店)。最新刊は『香港とは何か』(ちくま新書)。公式HPは https://nojimatsuyoshi.com
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