「フリン米次期大統領補佐官」の「危うい資質」が問題に

春名幹男
執筆者:春名幹男 2016年12月12日
カテゴリ: 国際 政治 IT・メディア
エリア: 北米

 トランプ米次期政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官に決まっているマイケル・T・フリン元国防情報局(DIA)局長(57)。大統領の安保政策および戦略策定の要となるポジションだ。
 過去にはキッシンジャー、ブレジンスキー両氏のような戦略家、あるいはスコウクロフト氏のような名調整役を据えて、幾多の危機を乗り越えてきた。しかし、フリン氏については、その「適性」に重大な疑問が提起され始めた。
 政権移行チームのスタッフとして働いていた息子マイケル・G・フリン氏(33)がこのほど、解任されていたことが分かった。大統領選挙直前に謀略工作まがいのツイッターを発信したことが起点となって、首都ワシントン市内で発砲事件が発生する異常事態に発展したためだ。父親は次期大統領の信任が厚く、政権発足後は息子も国家安全保障会議(NSC)スタッフ入りが有力視されていた。
 政権移行チームは、息子の処分で打ち止めにする構えだが、そもそも父親の方も証拠のない「陰謀史観」を振りまいてDIA局長を棒に振った経緯もある。父親の責任が問われる事態になれば、トランプ氏は政権発足前から困難な状況に追い込まれそうだ。

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執筆者プロフィール
春名幹男 1946年京都市生れ。国際アナリスト、NPO法人インテリジェンス研究所理事。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授、早稲田大学客員教授を歴任。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『米中冷戦と日本』(PHP)、『仮面の日米同盟』(文春新書)などがある。
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