トランプ米次期政権の国家安全保障問題担当大統領補佐官に決まっているマイケル・T・フリン元国防情報局(DIA)局長(57)。大統領の安保政策および戦略策定の要となるポジションだ。
過去にはキッシンジャー、ブレジンスキー両氏のような戦略家、あるいはスコウクロフト氏のような名調整役を据えて、幾多の危機を乗り越えてきた。しかし、フリン氏については、その「適性」に重大な疑問が提起され始めた。
政権移行チームのスタッフとして働いていた息子マイケル・G・フリン氏(33)がこのほど、解任されていたことが分かった。大統領選挙直前に謀略工作まがいのツイッターを発信したことが起点となって、首都ワシントン市内で発砲事件が発生する異常事態に発展したためだ。父親は次期大統領の信任が厚く、政権発足後は息子も国家安全保障会議(NSC)スタッフ入りが有力視されていた。
政権移行チームは、息子の処分で打ち止めにする構えだが、そもそも父親の方も証拠のない「陰謀史観」を振りまいてDIA局長を棒に振った経緯もある。父親の責任が問われる事態になれば、トランプ氏は政権発足前から困難な状況に追い込まれそうだ。
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