国際人のための日本古代史 (91)

「神在月」から解ける「国譲り」「天孫降臨」神話の謎

執筆者:関裕二 2017年10月12日
タグ: 日本
エリア: アジア
大物主神を祀る三輪山の「大神神社」(筆者撮影、以下同)

 

 10月を神無月(かんなづき)と呼ぶのは、日本中から神々がいなくなるためだ。方々の神々が出雲大社に集結する。だから出雲(島根県東部)では世間一般とは逆に、10月を神在月(かみありづき)と呼んでいる。

 なぜ出雲に神々が集まるのだろう。どうやらこれは、中世に出雲大社の御師(おし=参詣者を集めるために導き世話をする人)が広めた伝承らしい。

 説話の大元は、神話の中に隠されている。出雲の神こそ、日本の神を束ねていたという話がある。

カテゴリ: カルチャー
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
関裕二(せきゆうじ) 1959年千葉県生れ。仏教美術に魅せられ日本古代史を研究。武蔵野学院大学日本総合研究所スペシャルアカデミックフェロー。著書に『藤原氏の正体』『蘇我氏の正体』『物部氏の正体』、『「死の国」熊野と巡礼の道 古代史謎解き紀行』『「始まりの国」淡路と「陰の王国」大阪 古代史謎解き紀行』『「大乱の都」京都争奪 古代史謎解き紀行』『神武天皇 vs. 卑弥呼 ヤマト建国を推理する』など多数。最新刊は『古代史の正体 縄文から平安まで』。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top