飯舘村「帰還」の哀しみ(上)「までい」の民宿

寺島英弥
執筆者:寺島英弥 2017年10月22日
エリア: 日本
避難指示解除を記念し、飯舘村で催された「おかえりなさい式典」(筆者撮影、以下同)

 

 東京電力福島第1原子力発電所事故から6年過ぎた今年3月31日、政府から全住民の避難指示が出されていた福島県飯舘村などの被災地に、待ち望んでいた「避難指示解除」の報が届いた。待ちくたびれたと表現するのが正しいかもしれない。原発事故がなければ、誰もが全く違う人生を送っていた。その命を縮めることなく今を暮らしていた、と思える人々が筆者の身近にいる。「飯舘村の太陽」。そう呼びたいほどの笑顔と朗らかさで仮設住宅の同胞たちを支え、避難指示解除の5カ月後に息を引き取った佐野ハツノさん(享年70)もその1人。彼女はがんとの闘病に耐えながら「帰還」を待ち望み、古里の家で短い最後の日々を送った。

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執筆者プロフィール
寺島英弥 ジャーナリスト。1957年福島県生れ。早稲田大学法学部卒。河北新報元編集委員。河北新報で「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)、「時よ語れ 東北の20世紀」などの連載に携わり、2011年から東日本大震災、福島第1原発事故を取材。フルブライト奨学生として2002-03年、米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)『東日本大震災 何も終わらない福島の5年 飯舘・南相馬から』(同)。3.11以降、被災地における「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を更新中。
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