サイバーウォー・クレムリン (7)

軍人の「SNS規制」ロシア「デジタル経済ドクトリン」の眼目

執筆者:小泉悠 2017年10月31日
エリア: ヨーロッパ
ロシア版Facebookである「フ・コンタクチェ」では今も、2014年のロシア軍によるクリミア侵攻の動画を見ることができるが……(写真は「フ・コンタクチェ」より)

 

 前回は、ロシア政府がグローバル・インターネットインフラの「ロシア化」を進めようとしていることを紹介した(2017年10月5日「インターネット『主権』に拘るロシアの『執念』」)。つまり、インターネットを支えるインフラを原則的にロシア国内に置き、国民の通信監視を強化したり、有事の際にグローバル・インターネットから遮断されても、自律的に機能を維持できるようにする、ということだ。もちろん、これは多大なコストを伴うものだが、ロシア政府は依然としてその実現を諦めていない。

カテゴリ: 政治 IT・メディア 社会
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執筆者プロフィール
小泉悠(こいずみゆう) 東京大学先端科学技術研究センター准教授 1982年千葉県生まれ。早稲田大学大学院政治学研究科修了。民間企業勤務を経て、外務省専門分析員、ロシア科学アカデミー世界経済国際関係研究所客員研究員として2009年~2011年ロシアに滞在。公益財団法人「未来工学研究所」で客員研究員を務めたのち、2019年3月から現職。専門はロシアの軍事・安全保障。主著に『軍事大国ロシア 新たな世界戦略と行動原理』(作品社)、『プーチンの国家戦略 岐路に立つ「強国」ロシア』(東京堂出版)、『「帝国」ロシアの地政学 「勢力圏」で読むユーラシア戦略』(同)。ロシア専門家としてメディア出演多数。
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