マネーの魔術史
マネーの魔術史(24)

「金が中央銀行の金庫に眠る」という不思議な話

野口悠紀雄
執筆者:野口悠紀雄 2017年11月9日
エリア: 北米 ヨーロッパ
(C)AFP=時事

 

「ゴールドラッシュがインフレーションを引き起こす」というミシェル・シュヴァリエの予測は外れた。その大きな理由は経済が成長したことであると、前回述べた。金の過剰が起きなかったのには、もう1つ理由がある。それは金の退蔵だ。

 シュヴァリエは、その可能性も考えていたのだが、退蔵が大きく増加する可能性は低いと考えていた。

 しかし実際には、1800年代の初めに、金の退蔵に関する膨大な重要が生み出された。個人ではなく、イングランド銀行やフランス銀行のような中央銀行、または財務省などによって、途方もない量の金が退蔵されたのである。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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