「避難指示解除」後の飯舘村(下)被災地の残酷な現実

寺島英弥
執筆者:寺島英弥 2018年1月22日
エリア: 日本
原発事故前、春の用水路の点検に集った比曽の人々。共同作業が暮らしを支えた(菅野さん提供、以下同)

 

 菅野義人さん(65)を再訪したのは昨2017年12月10日。仙台から常磐自動車道を南下し、相馬市経由で国道115号を走った。よく晴れた冬の朝だったが、峠を越えた飯舘村にはうっすらとした雪景色があり、標高の高い比曽に通じる山あいの道は真っ白だった。怖いほどの凍結路が延々と続き、通行車も沿道の人影もほとんどなく、スリップ事故を起こしても助けはない。同じ浜通りでも冬の寒さが違う。「毎年師走の初めは穏やかだが、今年は雪が早い。けさもマイナス5度くらいになった。冷え込めばマイナス10度以下だ」と菅野さん。「これから降雪がどうなるか」。

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執筆者プロフィール
寺島英弥 ジャーナリスト。1957年福島県生れ。早稲田大学法学部卒。河北新報元編集委員。河北新報で「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)、「時よ語れ 東北の20世紀」などの連載に携わり、2011年から東日本大震災、福島第1原発事故を取材。フルブライト奨学生として2002-03年、米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)『東日本大震災 何も終わらない福島の5年 飯舘・南相馬から』(同)。3.11以降、被災地における「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を更新中。
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