米英仏「シリア爆撃」は国際法違反なのか

国際法上、「武力制裁」は国連安保理(写真)の決議がなければならないのだが (c)AFP=時事

 

 米東部時間の4月14日、米英仏によるシリアへのミサイル攻撃は国際法上違法であると訴えるロシアによって、国連安全保障理事会が招集された。安保理ではミサイル攻撃の合法性を巡る議論が展開され、ロシア提案の米英仏非難決議が投票にかけられたが、ロシア、中国、ボリビアの3カ国しか賛成せず、過半数に達しなかったため、決議は採択されなかった。

 なぜロシアは、シリアへのミサイル攻撃の違法性を訴えたのに3票しか賛成を集められなかったのか、そもそもあのミサイル攻撃には合法性があったのか、について論じてみたい。

カテゴリ: 政治 軍事・防衛
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執筆者プロフィール
鈴木一人(すずきかずと) すずき・かずと 東京大学公共政策大学院教授 国際文化会館「地経学研究所(IOG)」所長。1970年生まれ。1995年立命館大学修士課程修了、2000年英国サセックス大学院博士課程修了。筑波大学助教授、北海道大学公共政策大学院教授を経て、2020年より現職。2013年12月から2015年7月まで国連安保理イラン制裁専門家パネルメンバーとして勤務。著書にPolicy Logics and Institutions of European Space Collaboration (Ashgate)、『宇宙開発と国際政治』(岩波書店、2012年サントリー学芸賞)、編・共著に『米中の経済安全保障戦略』『バイデンのアメリカ』『ウクライナ戦争と世界のゆくえ』『ウクライナ戦争と米中対立』など多数。
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