「フクシマ」が吹き飛ばした世界の原発ブーム

執筆者:新田賢吾 2011年4月5日
エリア: 日本

 東京電力の福島第一原子力発電所の事故は、出口のみえない状況が今なお続いている。世界で最も安全の水準が高いと思われていた日本の原発で起きた事故は、大地震と大津波が原因とはいえ、世界に衝撃を与えた。今や、原子力発電そのものへの懐疑が世界に広がった。この数年の原子力ブームは一気に冷めた。先進国の「原子力ルネッサンス」は色あせ、新興国、途上国は経済成長に伴って急激に伸びる電力消費を賄う中心的な電源として期待していた原子力の位置づけに迷い始めている。
 福島第一原発の事故は、原発の安全性を担保してきた「冷やす」という機能の喪失の恐ろしさをまざまざと見せつけるとともに、原発に付随する使用済み核燃料プールも原子炉と並んで大きな危険性をはらんでいることを示した。すなわち、現在世界に広がっている商業用原子炉の多面的なリスクが改めて顕在化したわけである。

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