「化学兵器管理」を一致点とする大国間の取引──シリア問題への熟考(4)
シリア問題をめぐる大国間外交が急激に動いている。この欄の前回の項でも記したが、9日のロシアのラブロフ外相によるシリアの化学兵器の国際管理および廃棄、そして化学兵器禁止条約への加盟を求める提案に、アメリカがイギリスやフランスと共に肯定的な反応を示したが、ここに中国も賛意を表明した。安保理で拒否権を持つ常任理事国すべてが、シリアに化学兵器を放棄させるという点で一致したことになる。ロシア訪問中のシリアのムアッレム外相は9日は提案を「歓迎する」とのみしていたが、翌10日にはシリア政府として「同意した」と発表している。
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