国際論壇レビュー

世界が注視する「イラク情勢」とアメリカの姿勢

 ネット上ではISISがイラク治安部隊員を殺害前に連行する様子とされる画像が公開された (C)AFP=時事
ネット上ではISISがイラク治安部隊員を殺害前に連行する様子とされる画像が公開された (C)AFP=時事

 今月は、イラク情勢が国際ニュースの焦点となった。米軍が撤退して2年半。中東全体を巻き込むイスラム教スンニー派(盟主はサウジアラビア)とシーア派(盟主はイラン)の巨大な対立構造の中で、イラクの大半がスンニー派テロ組織の手に落ちかけている。国際テロ活動の拠点となる新たな無法地帯がイラク・シリアをまたぐ一帯に生まれるのか。懸念が高まっている。

 その一方で、1989年6月の天安門事件からちょうど4半世紀が過ぎた。民主化を求めた学生が一晩のうちにおそらく千人単位で圧殺されたあの事件を境に、大躍進を遂げた中国。この国とどう付き合うか。世界はあらためて立ち止まり、考えた。

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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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