「出光の昭和シェル買収」は石油業界グローバル化への号砲か

 日本初の水素ステーションを設置したのも出光だった(C)時事
日本初の水素ステーションを設置したのも出光だった(C)時事

 石油元売り業界2位の『出光興産』が同5位の『昭和シェル石油』をTOB(株式の公開買い付け)で買収することが明らかになった。石油業界の再編は今更珍しくもないが、今回は“独身”を貫いてきた出光が動いたことに大きな意味がある。需要縮小が続く国内市場が『JX』グループと出光グループの2強寡占体制になり、販売の乱戦が収まれば、両グループはアジアなど海外への展開を加速する余力が生まれる。今回の再編は、「内需オンリーのドメスティック業界」だった日本の石油業界がグローバル化に踏み出す号砲となるかもしれない。

 

国内石油業界「低収益」の構図

 出光は「大家族主義」「人間尊重」といった言葉で表現される「出光イズム」を根強く持つ会社だ。「企業の目的は利益ではなく、人を育てることにある」と看破した創業者、出光佐三の精神が今も生きており、その社風、文化は強いバイタリティーと挑戦心を社員に与え、1960年代以降、急成長し、名門の日本石油(現JXグループ)に肩を並べるほどの石油元売りになった。その反骨心は、1953年に英国から経済封鎖を受けていたイランに密かにタンカーを差し向けて石油製品を輸入した「日章丸事件」に代表される。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順