2015年の米中関係(上)日本流の「関与政策」とは

武内宏樹
執筆者:武内宏樹 2015年2月11日
エリア: 中国・台湾 北米

 今年は年明け早々、1月4日から9日までワシントンに滞在し、マンスフィールド財団主催の会議に出席するという貴重な機会をいただいた。日米関係をめぐる会議であったが、やはり議論の中心は中国であり、それに加えて、悪化する日韓関係についても多くの時間が割かれた。

 筆者は、昨年元日の論考で2014年の日米中関係を展望した(「2014年の『日米中3国関係』をアメリカから見る」http://www.fsight.jp/23428)。振り返ってみれば昨年は、ロシアのクリミア併合、「イラクとシリアのイスラム国」(Islamic State of Iraq and Syria: ISIS)の勢力拡大といったビッグ・ニュースがあったが、「中国とどう付き合うか」(How to manage China?)という問題は、米国では常に議論の中心に位置していたといえるように思われる。

 筆者が所属するサザンメソジスト大学タワーセンター政治学研究所では、毎年11月に「国家安全保障」をテーマに国際会議を開催しているが、昨年のテーマは、そのものずばり「米国と中国」(The United States and China)であった。そこで、2回にわたって、会議での議論に基づいて2015年の米中関係を展望してみたい。1回目は、国務省の要職を歴任し、現在スタンフォード大学フリーマン・スポグリ国際問題研究所の特別研究員を務めるトーマス・フィンガー氏の基調講演と、氏への筆者のインタビューに基づいて、米国の対中「関与」(engagement)政策の意味について考えてみたい。

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執筆者プロフィール
武内宏樹
武内宏樹 サザンメソジスト大学(SMU)政治学部准教授、同大学タワーセンター政治学研究所サン・アンド・スター日本・東アジアプログラム部長。1973年生れ。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)博士課程修了、博士(政治学)。UCLA 政治学部講師、スタンフォード大学公共政策プログラム講師を経て、2008年よりSMUアシスタント・プロフェッサーを務め、2014年より現職。著書に『党国体制の現在―変容する社会と中国共産党の適応』(共編著、慶應義塾大学出版会、2012年)、Tax Reform in Rural China: Revenue, Resistance, Authoritarian Rule (ケンブリッジ大学出版会、2014年)。ほかに、International Relations of the Asia-Pacific、Japanese Journal of Political Science、Journal of Chinese Political Science、Journal of Contemporary China、Journal of East Asian Studies、Modern Chinaなどに英語論文を掲載。専門は、中国政治、日本政治、東アジアの国際関係及び政治経済学。
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