国際論壇レビュー

AIIBがイメージさせる「新世界秩序」

 日米欧を尻目に経済成長を続ける中国は、その勢いを駆って英米主導でつくられた国際システムをつくりかえようとしているのか――。中国が主導するアジアインフラ投資銀行(AIIB)の創設メンバー国が4月15日に確定し、57カ国に及んだ。先進7カ国(G7)のうち4カ国、先進国グループ経済協力開発機構(OECD)34カ国からは過半数21カ国が加わっている。 締め切り間際に参加国が一挙に増えた。バンドワゴン効果だ。創設メンバーでは日米の不在が際立つ。

 57カ国は、先発の日米主導のアジア開発銀行(ADB)の参加67カ国・地域に迫る数だ。AIIB参加国は今後も増えるだろうから、並び立ち、超えていくかもしれない。いったい何が起きているのか。中国の狙いは何か。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top