国際論壇レビュー

トランプの黒幕「バノン」の世界観(1)終末論漂わせる文明衝突史観

執筆者:会田弘継 2017年2月8日
エリア: 北米
映画監督の経験もある黒幕(C)AFP=時事

 

 思想家が政治家を使うのか、政治家が思想家を利用するのか———。

 トランプ大統領の側近にして政権の黒幕スティーブ・バノン首席戦略官兼上級顧問の動きが注目されている。バノンはトランプの選挙戦略を仕切った知謀家だ。当選後真っ先に「首席戦略官」という大統領最側近のポストを与えられた。大統領就任演説の骨格をつくり、メキシコ国境の壁建設、中東移民受け入れ一時禁止など、トランプが次々と署名し物議を醸している大統領令はほとんどがバノンの助言によるという。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top