メルケル4選を脅かす「SPDシュルツ」の強みは「低学歴」「中央政界経験なし」

執筆者:佐藤伸行 2017年3月8日
エリア: ヨーロッパ
ドイツ社会民主党の首相候補となったシュルツ前欧州連合(EU)欧州議会議長(C)EPA=時事

 首相メルケルの4選がかかる今年9月のドイツ総選挙(連邦議会選挙)に向け、強烈な旋風が巻き起こっている。12年ぶりに首相の座の奪回を目指す中道左派の社会民主党(SPD)が擁立した首相候補マルティン・シュルツ前欧州議会議長(61)が期待以上の人気を集め、メルケル再選を阻むかもしれない手ごわいライバルとして浮上してきたのだ。メルケルは、仮に次の総選挙で勝利して任期を全うすれば、在任16年となり、政治的師父であるドイツ統一宰相ヘルムート・コールの戦後最長記録に並ぶ。しかし、その道のりはやはり平坦ではなかった。

カテゴリ: 社会 政治
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執筆者プロフィール
佐藤伸行(さとうのぶゆき) 追手門学院大学経済学部教授。1960年山形県生れ。85年早稲田大学卒業後、時事通信社入社。90年代はハンブルク支局、ベルリン支局でドイツ統一プロセスとその後のドイツ情勢をカバー。98年から2003年までウィーン支局で旧ユーゴスラビア民族紛争など東欧問題を取材した。06年から09年までワシントン支局勤務を経て編集委員を務め退職。15年より現職。著書に『世界最強の女帝 メルケルの謎』(文春新書)。
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