独総選挙の焦点は「メルケルの副産物」の扱い

AfDの「共同筆頭候補者」となった新星ヴァイデル氏(左)と重鎮ガウラント氏。(C)AFP=時事

 

 最新の各種世論調査を信じれば、9月24日に実施されるドイツ連邦議会(下院)選挙では、中道右派の与党「キリスト教民主・社会同盟」(CDU・CSU)を率いるアンゲラ・メルケル首相の4選が確実視されています。一方の国民政党である中道左派・社会民主党(SPD)が擁立した首相候補マルティン・シュルツ前欧州議会議長は、当初こそ旋風を巻き起こしたものの、ほどなく急激に失速し、まったくの竜頭蛇尾に終わった観が否めません。SPDは前回2013年総選挙以上の惨敗を喫する可能性も出てきています。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
佐藤伸行(さとうのぶゆき) 追手門学院大学経済学部教授。1960年山形県生れ。85年早稲田大学卒業後、時事通信社入社。90年代はハンブルク支局、ベルリン支局でドイツ統一プロセスとその後のドイツ情勢をカバー。98年から2003年までウィーン支局で旧ユーゴスラビア民族紛争など東欧問題を取材した。06年から09年までワシントン支局勤務を経て編集委員を務め退職。15年より現職。著書に『世界最強の女帝 メルケルの謎』(文春新書)。
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