マネーの魔術史 (25)

「国立銀行」による紙幣発行に頼った明治政府

執筆者:野口悠紀雄 2017年11月16日
タグ: アメリカ 日本 5G
エリア: アジア
国立銀行が発行した、日本初の紙幣 (C)時事

 

 ヨーロッパにおいて金本位制が確立された頃、日本の情勢はどうだったろうか?

 明治になっても、徳川幕府が発行した金銀銅貨が流通していた。単位も両・分・朱のままだった。

 1868(明治元)年、明治政府は太政官札を発行した。

 71(明治4)年、明治政府は「新貨条例」を公布。通貨単位として「円(えん)」を制定し、1円を金1.5gと定めた。また、1円より小さな単位として、銭、厘を使い、1円=100銭、1銭=10厘と決めた。

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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