マネーの魔術史 (42)

新経済政策NEPで市場経済を容認

執筆者:野口悠紀雄 2018年3月15日
エリア: ヨーロッパ

 

(C)AFP=時事

                                    

 1921年に、ウラジーミル・レーニンの指導とニコライ・ブハーリン(1888年~1938年)の理論指導により、部分的に市場経済を容認した経済政策、NEP(ネップ)が採用された。

 これにより食糧現物税が導入され、農民は収穫の一定割合(1922年からは一律10%)を国に納めるが、残りを自由市場で販売することが認められた。納税後の余剰穀物の処分について、当初は組織的商品交換が試みられたが、それが失敗した後は、農民の自由にゆだねられた。

フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
執筆者プロフィール
野口悠紀雄(のぐちゆきお) 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ビジネス・ファイナンス研究センター顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)、『マネーの魔術史』(新潮選書)、『AI時代の「超」発想法』(PHPビジネス新書)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
  • 24時間
  • 1週間
  • f
back to top