ニューヨーク発 トランプのアメリカ (16)

2つに絞られたロシア疑惑「モラー捜査」の「最終ターゲット」

トランプ米大統領(左)とモラー特別検察官。ロシア疑惑の捜査は、最終ターゲットまでたどりつくのか (C)AFP=時事

 

 ロバート・モラー特別検察官によるロシア疑惑の捜査が始まってから、わたしは捜査の進展を毎日追いかけ、ベタ記事のような小さな情報も見逃さないよう心がけてきた。しかし、巨大な氷山の水面下に深く隠されたロシアとドナルド・トランプ米大統領の共謀の事実は、なかなかその片鱗すら見せようとしない。モラーの捜査は多岐にわたり、およそ繋がりなく分散する、いくつもの点を追いかけているようにも見える。それぞれが疑惑の方向にベクトルを向けているものの、共謀の全体像は姿をあらわさない。

カテゴリ: 政治 社会
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執筆者プロフィール
青木冨貴子(あおきふきこ) あおき・ふきこ ジャーナリスト。1948(昭和23)年、東京生まれ。フリージャーナリスト。84年に渡米、「ニューズウィーク日本版」ニューヨーク支局長を3年間務める。著書に『目撃 アメリカ崩壊』『ライカでグッドバイ―カメラマン沢田教一が撃たれた日』『731―石井四郎と細菌戦部隊の闇を暴く』『昭和天皇とワシントンを結んだ男』『GHQと戦った女 沢田美喜』など。 夫は作家のピート・ハミル氏。
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