「原発事故」風評をバネに「日本一の醤油」を造り続ける福島「老舗醸造元」山形屋商店(下)

寺島英弥
執筆者:寺島英弥 2018年6月30日
カテゴリ: 文化・歴史 社会
エリア: 日本
昨年の「全国醤油品評会」に出品された醤油。「農林水産大臣賞」の向かって右から2番目が「ヤマブン本醸造特選醤油」。
 

 福島への応援ムードが一気にしぼんだのは、東日本大震災の翌2012年。きっかけは、当時の野田佳彦首相がその前年の12月16日に行った福島第1原発の「収束宣言」だった。

「原子炉が冷温停止状態に達し、発電所の事故そのものは収束に至ったと確認された」と言うものの、「炉心や燃料を完全制御できていることを確信できる根拠はなく、宣言は早計ではないか」(桜井勝延南相馬市長・当時)、「事故発生以来、国や東京電力の情報開示には不信感があり、まともに受け止められない」(馬場有浪江町長・同)などと被災地の首長から非難が殺到。県議会は「宣言」撤回を求める意見書まで採択した。

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執筆者プロフィール
寺島英弥 ジャーナリスト。1957年福島県生れ。早稲田大学法学部卒。河北新報元編集委員。河北新報で「こころの伏流水 北の祈り」(新聞協会賞)、「オリザの環」(同)、「時よ語れ 東北の20世紀」などの連載に携わり、2011年から東日本大震災、福島第1原発事故を取材。フルブライト奨学生として2002-03年、米デューク大に留学。主著に『シビック・ジャーナリズムの挑戦 コミュニティとつながる米国の地方紙』(日本評論社)、『海よ里よ、いつの日に還る』(明石書店)『東日本大震災 何も終わらない福島の5年 飯舘・南相馬から』『福島第1原発事故7年 避難指示解除後を生きる』(同)。3.11以降、被災地における「人間」の記録を綴ったブログ「余震の中で新聞を作る」を書き続けた。
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