国際論壇レビュー
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米国をイラクに引き戻した「史上最悪のテロ集団」

会田弘継
執筆者:会田弘継 2014年8月25日
 苦悩は深まるばかり……(C)AFP=時事
苦悩は深まるばかり……(C)AFP=時事

 結局、イラクに引きずり戻されてしまった。イラク・アフガニスタンの戦争を終えるという成果で名を残したかったオバマ米大統領も浮かぬ顔だ。イラクとシリアにまたがって生まれた「イスラム国」。そのイスラム教スンニ派過激集団がイラクのクルド人自治区の中心都市アルビルに迫る一方、少数民族ヤジド の虐殺を始めたため、「限定的な空爆」を命じざるを得なくなった。【President Obama Makes a Statement on Iraq, The White House, Aug. 7

 これが短期の限定的介入で済むと思っている専門家はいないだろう。「もっと決定的な行動が必要になる。アメリカは戦場に引き戻された。しばらくは戦場にとどまることになろう」。英誌『エコノミスト』は、そう予言する。サダム・フセインを倒した後のイラク安定化について何の青写真もなく戦争を始めたのが息子ブッシュ大統領なら、米軍が引き揚げたあとどうなるか、十分な考慮を払わず撤退させたのがオバマ大統領。2人とも間違ったと同誌は言う。【Back to Iraq; America and the Middle East, The Economist, Aug. 16

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執筆者プロフィール
会田弘継
会田弘継 青山学院大学地球社会共生学部教授、共同通信客員論説委員。1951年生れ。東京外国語大学英米科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを歴任。2015年4月より現職。著書に本誌連載をまとめた『追跡・アメリカの思想家たち』(新潮選書)、『戦争を始めるのは誰か』(講談社現代新書)、訳書にフランシス・フクヤマ『アメリカの終わり』(講談社)などがある。
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