原油価格「下落」の陰にある劇的な「石油需要減」

 ガソリン価格も徐々に下がってきた(C)時事
ガソリン価格も徐々に下がってきた(C)時事

 原油価格がじりじりと下げる展開が続いている。ニューヨークで取引されるWTI原油は、11月に入って1バレル=80ドルを割り込み、2012年6月以来の安値水準に沈んだ。この下落については様々な解説が出ている。「中国、インドなど新興国景気の減速による需要の伸び悩み」「リビア、イラクなど混乱する中東産油国からの予想外の輸出増」「石油輸出国機構(OPEC)の盟主、サウジアラビアの減産見送り」「シェールオイルの増産による米国の原油輸入削減」「米国の超金融緩和の終了による投機資金の引き揚げ」などだ。いずれも合理的な理由で納得もいくが、石油をめぐる動きの全体像、背景にある大きな流れが説明できてはいない。今、見通すべきは、21世紀に入って高騰した石油相場の「終わりの始まり」だからだ。

 

石油消費の過半数は「輸送用燃料」

 エネルギーの主力である化石燃料には石油、天然ガス、石炭の3つがあるが、21世紀に入って消費量の伸びには大きな差が出ている。20世紀の世界経済の成長を支え、資源確保をめぐって幾度となく戦争の原因にもなった石油は、2001-13年の間に17.7%の増加にとどまり、天然ガスの36.3%、石炭の62.5%に比べ、伸び悩んだのだ。中国など新興国で自動車が急増し、船舶、航空機の輸送も急膨張したにもかかわらず、石油は他の化石燃料のようには消費量が増えなかった。人類が長く使ってきた過去のエネルギーと思われた石炭が急増したことと比べてみれば、なおさら意外感があるだろう。

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