国際論壇レビュー

米中主役の「新たなグレート・ゲーム」

 この「グレート・ゲーム」に世界が注目する(C)AFP=時事
この「グレート・ゲーム」に世界が注目する(C)AFP=時事

 「新たなグレート・ゲーム始まる」(豪紙)「アジア太平洋の夢――幻想か、悪夢か」(シンガポール紙)「複旋律の時代」(カナダ紙)――。

 11月中旬の1週間、北京でのAPEC首脳会議に始まって、ミャンマーでの東アジア首脳会議、オーストラリアでのG20首脳会議と一連の大型国際会議がアジア太平洋地域で続いた。

 これらの会議の成果をめぐっては、各国の新聞見出しが示すように評価が錯綜する。首脳会議の脇で数多くの2国間首脳会談も行われた。それらすべてを踏まえた評価は、すぐには下せない。ただ、豪紙の「グレート・ゲーム」(大陸規模の陣取り合戦)という言葉が象徴するように、大きな「地殻変動」をうかがわせる1週間であった。のちに「時代を画した1週間」といわれる可能性もありそうだ。

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執筆者プロフィール
会田弘継(あいだひろつぐ) 関西大学客員教授、ジャーナリスト。1951年生まれ。東京外語大英米語科卒。共同通信ジュネーブ支局長、ワシントン支局長、論説委員長などを務め、現在は共同通信客員論税委員、関西大学客員教授。近著に『世界の知性が語る「特別な日本』』 (新潮新書)『破綻するアメリカ』(岩波現代全書)、『トランプ現象とアメリカ保守思想』(左右社)、『増補改訂版 追跡・アメリカの思想家たち』(中公文庫)など。訳書にフランシス・フクヤマ著『政治の衰退』(講談社)など。
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