マネーの魔術史
マネーの魔術史(28)

ユダヤ人シフの助けで1000万ポンドの外債発行

野口悠紀雄
国立銀行が発行した、日本初の紙幣 (C)時事

 

 1904(明治37)年の5月。日露戦争は始まったばかりで、日本軍がまだ大きな勝利を収めていないときのこと。高橋是清は、ある銀行家の晩餐会に招かれた。

 隣に座ったアメリカ人が、話しかけてきた。「日本兵の士気は高いか?」「日本軍の装備はどうか?」等々。

 高橋は、その1つ1つに丁寧に答えた。

 翌朝、イギリスの銀行家が突然、高橋をホテルに訪ねてきて言った。

「昨夜の晩餐会であなたの隣に座ったのは、アメリカの銀行家ヤコブ・ヘンリー・シフというユダヤ人。彼は、500万ポンドの日本の国債を引き受けようと言っている」

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執筆者プロフィール
野口悠紀雄 1940年東京生まれ。東京大学工学部卒業後、大蔵省入省。1972年エール大学Ph.D.(経済学博士号)取得。一橋大学教授、東京大学教授などを経て、現在、早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論。1992年に『バブルの経済学』(日本経済新聞社)で吉野作造賞。ミリオンセラーとなった『「超」整理法』(中公新書)ほか『戦後日本経済史』(新潮社)、『数字は武器になる』(同)、『ブロックチェーン革命』(日本経済新聞社)など著書多数。公式ホームページ『野口悠紀雄Online』【http://www.noguchi.co.jp
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