マネーの魔術史
(28)
ユダヤ人シフの助けで1000万ポンドの外債発行
1904(明治37)年の5月。日露戦争は始まったばかりで、日本軍がまだ大きな勝利を収めていないときのこと。高橋是清は、ある銀行家の晩餐会に招かれた。
隣に座ったアメリカ人が、話しかけてきた。「日本兵の士気は高いか?」「日本軍の装備はどうか?」等々。
高橋は、その1つ1つに丁寧に答えた。
翌朝、イギリスの銀行家が突然、高橋をホテルに訪ねてきて言った。
「昨夜の晩餐会であなたの隣に座ったのは、アメリカの銀行家ヤコブ・ヘンリー・シフというユダヤ人。彼は、500万ポンドの日本の国債を引き受けようと言っている」
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