アフリカの原発:ラマポーザ南ア副大統領「訪中」の理由

 おかしな事件が起こった。7月10日、中国遺跡観光ツアー客(南アフリカ人10名、イギリス人9名、インド人1名)が、内モンゴルのオルドス空港で官憲によって拘束された。容疑は、ホテルの部屋でテロ組織の宣伝ビデオを観ていたということだったらしいのだが、中国当局は明らかにしていない(釈放された後に同人達は「チンギス・ハーンのドキュメンタリーを観ていただけだ」と言っている)。このなかに、南アフリカの通信会社『ヴォダコム』社のCEO(最高経営責任者)シャミール・ジュスブ氏の近親者がいて、連絡を受けたジュスブ氏がAP通信にメールを送ったため、15日には南アフリカ、アメリカ、イギリスのメディアがこのニュースを伝えた。

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執筆者プロフィール
平野克己(ひらのかつみ) 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
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