マイナス成長に転落したアフリカ

平野克己
アフリカ経済では石油産業が売上高の上位を占める(リビアのコンビナート)(C)AFP=時事

 

 アフリカ情報誌の老舗にフランスの『Jeune Afrique』があるが、ここは英語の情報誌も出していて『The Africa Report』という。研究現場を離れた今もこれだけは読んでいる。第6回アフリカ開発会議(TICAD VI)があった昨年は、外務省の招聘で英仏誌双方の記者が来日したので研究所で会い、ナイロビの本番にはJETRO(日本貿易振興機構)が彼らを現地に招聘した。そこでも会って、寄稿もした。先月パリに行った際には、この2人と日本人シェフの店でフランス料理を食べ、日本映画の話に花を咲かせた。

 前置きが長くなったが、『The Africa Report』2月号が例年通り、2015年の「Top 500 African Compnies」を発表した。アフリカの企業を売上高順にリストアップしたものである。1位はアルジェリアの石油公社「ソナトラック(Sonatrach)」で、総売上は600億米ドルを超えている。2位はアンゴラ石油公社「ソナンゴル(Sonangol)」の172億米ドルだから、ソナトラックはダントツだ。3位から13位までは南アフリカの民間企業が続いており、自動車販売や輸送業を軸とする総合企業「ビッドベスト(Bidvest)」、石炭液化をはじめとする化学企業「サソール(Sasol)」、携帯電話会社の「MTN」が上位3社。14位にはエジプトのスエズ運河会社、19位にザンビアの建設会社、24位にモロッコのエネルギー企業がいるが、500社中159社が南アフリカ企業であり、上位100社では56社を占める。南アフリカの大企業はほぼすべてアフリカ大陸に展開している。それゆえ、アフリカ経済を見るうえでは常に、南アフリカ企業の動きをおさえておかなくてはならないのである。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
平野克己 1956年生れ。早稲田大学政治経済学部卒、同大学院経済研究科修了。スーダンで地域研究を開始し、外務省専門調査員(在ジンバブエ大使館)、笹川平和財団プログラムオフィサーを経てアジア経済研究所に入所。在ヨハネスブルク海外調査員(ウィットウォータースランド大学客員研究員)、JETRO(日本貿易振興機構)ヨハネスブルクセンター所長、地域研究センター長などを経て、2015年から理事。『経済大陸アフリカ:資源、食糧問題から開発政策まで』 (中公新書)のほか、『アフリカ問題――開発と援助の世界史』(日本評論社)、『南アフリカの衝撃』(日本経済新聞出版社)など著書多数。2011年、同志社大学より博士号(グローバル社会研究)。
comment:7
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
最新コメント
最新トピック
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順