王滬寧

おう・こねい、ワン・フーニン

全国政治協商会議（政協）主席

1955年10月生、山東省莱州市出身

復旦大学（上海）国際政治学部系大学院（法学修士）

1981年から復旦大学国際政治学部で教員、副教授、教授を経て94～95年に同大学法学院長。
上海閥の江沢民にその頭脳と教養を評価され、95年に党中央政策研究室に引き抜かれた。同研究室副主任・主任として、江沢民、胡錦濤、習近平の3代最高指導者に仕え、「三代帝師」の異名を持つ。「三つの代表」（江）、「科学的発展観」（胡）、「中国の夢」（習）など、最高指導者が語る政治思想や理論を色付けして明文化し、内外に向けたイメージづくりに抜群の能力を発揮することから、「政治化粧師」とも呼ばれる。内政・外交面でブレーンも務め、胡錦濤や習近平の外遊などにも随行した。
時の最高指導者から政治的野心がないと見なされて重用され、2012年に政治局委員、17年に政治局常務委員に昇格。歴代トップの「影」のような存在で、これまで外国人と単独で会談することは少なく、外交団や外国人記者との接触もほとんどなく、他の政治局常務委員に比べ、「生の声」も伝わらない指導者として知られた。しかし政協主席として、習近平が最大の政治公約に掲げる台湾統一工作を主導するほか、統一戦線工作の責任者として外国や台湾の要人と積極的に会談をこなしている。

（執筆・監修：城山英巳）