【Analysis】“超保守”の米最高裁 「文化戦争」に飛び込む

2022年2月13日
エリア: 北米
ドナルド・トランプ前大統領がエイミー・コーニー・バレット(後列右端)を最高裁判事に指名したことで、最高裁判事の構成が保守に傾いた(Erin Schaff/Pool via REUTERS/File Photo)
トランプ政権時、明確に保守色を強めたアメリカ最高裁。妊娠中絶の是非やアファーマティブ・アクションといった問題については及び腰だったが、その姿勢も大きく変わりつつある。

[ワシントン(ロイター)]大学が入学者選抜の際に人種を考慮に入れることは差別か否かを問う裁判の審理を開始すると米最高裁が決定したことは、過半数を占める保守派判事が、アメリカを最も分断するこの問題に、保守派の爪痕を残そうという熱意の表れといっていい。

 すでに最高裁は、人工妊娠中絶の権利の制限と、銃の所有権拡大という保守派の悲願を実現する判断を6月末までに下すことが予想されている。加えて、ハーバード大学とノースカロライナ大学で人種を考慮に入れながら入学者を選抜していることについて審理するという決定は、アメリカの保守派が長らく嫌悪してきた「アファーマティブ・アクション(積極的格差是正措置)」を大きく揺さぶることになるだろう。判決は来年にも出ると予想される。

カテゴリ: 政治
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