ビジネスチャンスになったCO2排出権取引

執筆者:石山新平 2005年2月号

EUでは排出権取引制度が開始された。そして京都議定書も発効。二酸化炭素排出権をめぐる状況は今後急展開する。[フランクフルト発]「これはもはや環境問題ではなく経済問題だ」――。 京都議定書や地球温暖化、二酸化炭素排出権という言葉を聞くと、一般のビジネスマンはまだまだ縁遠い「環境派」のテーマと思うのではないだろうか。だが現実はまったく違う段階に進んでいる。二酸化炭素(CO2)に代表される温暖化ガスの排出問題をどうクリアし、さらにビジネスチャンスとしてどう生かしていくか。今明確な方針を持っているかどうかで、十年後、国や企業の競争力に雲泥の差が生じることになる。 温暖化ガス問題が重大問題になってきた背景には二つのきっかけがある。ひとつは二〇〇五年一月一日から欧州連合(EU)が排出権取引制度(ETS)をスタートさせたこと。そしてより決定的なのは、ロシアの批准により、二月十六日に京都議定書が発効することである。 京都議定書の発効で、各国は温暖化ガスの削減が義務付けられる。日本の場合、二〇〇八年から二〇一二年の温暖化ガスの排出量を、基準年と定められた一九九〇年に比べて六%減らさなければならない。一方、EUのETSは、対象を二酸化炭素に限った上で一足早く開始。二〇〇五年から二〇〇七年の排出量を一九九〇年比八%減らすために、EU加盟各国に削減目標量を、域内五千の工場に排出枠を割り振った。

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