存在感を急速に増す中国の「先物市場」

執筆者:柴田明夫 2005年6月号
エリア: 中国・台湾

 中国内の先物市場が急成長し、世界の先物市場への影響が強まっている。一九九〇年代に入って導入された中国の先物市場は当初、法制度が未整備なまま先物取引所が全国的に乱立し、不公正な取引など様々な問題が生じた。これに対し中国政府は九三年以降、取引所の整理に着手。五十以上あった先物取引所は、現在では大連商品交易所、上海期貨交易所、鄭州商品交易所の三カ所に統合された。数十あった上場商品の数も、大豆、大豆ミール、トウモロコシ(大連)、銅、アルミニウム、天然ゴム、燃料油(上海)、小麦、綿花(鄭州)の九商品に絞り込まれた。 しかし上場商品数が絞られたにもかかわらず、中国の先物市場規模はすでに日本を凌ぐ。全米先物業協会(FIA)によると、昨年の世界先物取引所の出来高ランクベスト20には、大連(八位)、上海(十四位)、鄭州(二十位)のいずれもが入っている。一方、日本の七つの商品取引所のうち、ベスト20入りは東京工業品取引所(九位)、東京穀物取引所(十九位)だけ。中国の商品先物市場が急速に拡大したのは、二〇〇一年十二月のWTO(世界貿易機関)加盟によるところが大きい。中国のWTO加盟には輸出拡大と外資導入により経済成長を促すという目的とともに、成長に必要な原材料を海外から調達するという狙いもあったからだ。

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