「会計的合理性」なき会計士の退場

執筆者:喜文康隆 2006年7月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

「文明論とは、人の精神発達の議論なり。その趣意は、一人の精神発達を論ずるにあらず、天下衆人の精神発達を一体に集めて、その一体の発達を論ずるものなり」(福沢諭吉『文明論之概略』)     * 歴史の歯車がまた一回転したな。六月三日付の日本経済新聞の一面を眺めながら、そう思った。 トップの記事では、「村上ファンド立件へ」というニュースを伝え、ワキが「世界の証取(証券取引所)再編の波」という囲み記事。そして、真ん中に「日経平均五百二十二円乱高下」と伝えている。 三つのニュースは、結局一つのことを伝えている。「情報を通じて世界は一つになっていく。資本市場や企業社会のルールも収斂していく。そして、それに対応できない制度や人は滅びていく」。 世界の取引所の統合を仕掛けたニューヨーク証券取引所(NYSE)のジョン・セイン最高経営責任者(CEO)は、投資銀行ゴールドマン・サックスの出身である。また、その数日前にブッシュ政権の財務長官に指名されたヘンリー・ポールソンもゴールドマン・サックスのCEOからの転身である。 米国の資本主義は追いつめられながら、「ゴールドマン資本主義」とでもいえる手法で世界を塗り替えようとしている。それはあらゆる分野で進行するグローバリゼーションを金融の機能で制御しようという手法である。

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