高まる日本の「ソブリン・リスク」

執筆者:小田博利 2010年4月号
カテゴリ: 経済・ビジネス 金融

ギリシャが国家破綻の危機に瀕している。だが財政赤字の規模やスピードを考えれば他人事ではない。今や政府こそがリスクの震源になりつつある。 欧州文明発祥の地、ギリシャを巡って無遠慮な会話が交わされている。 ギリシャが財政と経常収支の「双子の赤字」に苦しんでいるのは分かる。ユーロ圏に助けを求める前に、貴方自身でもっとやるべき課題があるだろう。昔から助けを求める前には、自分の財産を処分するものだ。まずその島を売ったらどうか。例えばクレタ島とか。 皮肉を言っているのは、他でもない。ドイツの大衆紙『ビルト』だ。ニーチェやブルクハルトに代表されるドイツ語圏の知の巨人たちが、憧憬の念を抱いたのがギリシャだった。なのに、末法の世ではドイツがギリシャ叩きの急先鋒に立っている。 理不尽な事実の背後には、えも言われぬ損得勘定がある。ひとつは、大盤振る舞いして破綻した国の面倒を何故、ドイツの納税者がみなければならないのだ、という感情だ。 良く似た損失負担のゲームは、国家破綻したアイスランドと、英国、オランダとの間にもある。リーマン・ショック後にアイスランドの銀行は軒並み破綻し、預金者に預金を返せなくなった。その中には英蘭の預金者も多くいた。英蘭の当局は自国の預金者を自国のカネで保護したが、もとはと言えばアイスランドの銀行の不祥事だ。

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