インテリジェンス・ナウ
インテリジェンス・ナウ

原油価格高騰の裏に米ロ間の「秘密工作」説

春名幹男
執筆者:春名幹男 2000年5月号
カテゴリ: IT・メディア 国際
エリア: 北米

 一九九五年十一月三十日、十二月一日の両日、イタリア・ミラノの最高級ホテル「フォー・シーズンズ」で、米国の実業家ロジャー・タムラズ氏が当時のエリツィン・ロシア大統領の側近二人と会談した。 アメリカもロシアも翌年に大統領選挙を控え、クリントン、エリツィン両氏の再選がかかっていた重要な時期のことである。 この時、ロシア側は「一億ドルの選挙資金が必要だ」とタムラズ氏に要請した、とワシントン・ポスト紙のデービッド・イグナシアス記者は書いている。イグナシアス氏はスパイ小説作家でもある。 タムラズ氏に会ったロシア人は、旧ソ連国家保安委員会(KGB)のベテランで、大統領警護局長だったアレクサンドル・コルジャコフ現下院議員と、最近、大統領府総務局長を解任されたバベル・ボロジン氏である。 コルジャコフ氏は、エリツィン大統領との親密かつ不可解な関係が度々話題になった人物。ボロジン氏はエリツィン氏の「金庫番」と呼ばれ、ウラジーミル・プーチン大統領が連邦保安局(FSB)長官を務める前に大統領府総務局にいた時代に直属の上司だった。昨年来、ボロジン氏はクレムリン改修工事に絡む汚職疑惑で、エリツィン氏の二女タチヤナ・ジヤチェンコ氏とともに、スイス捜査当局の捜査対象となった。他方、タムラズ氏は、米民主党に多額の政治資金(ソフトマネー)を献金したナゾのレバノン系アメリカ人、として知られている。

この記事は役に立ちましたか?
フォーサイト最新記事のお知らせを受け取れます。
この記事をSNSにシェアする
執筆者プロフィール
春名幹男
春名幹男 1946年京都市生れ。大阪外国語大学(現大阪大学)ドイツ語学科卒業。共同通信社に入社し、大阪社会部、本社外信部、ニューヨーク支局、ワシントン支局を経て93年ワシントン支局長。2004年特別編集委員。07年退社。名古屋大学大学院教授を経て、現在、早稲田大学客員教授。95年ボーン・上田記念国際記者賞、04年日本記者クラブ賞受賞。著書に『核地政学入門』(日刊工業新聞社)、『ヒバクシャ・イン・USA』(岩波新書)、『スクリュー音が消えた』(新潮社)、『秘密のファイル』(新潮文庫)、『スパイはなんでも知っている』(新潮社)などがある。
comment:0
icon
  • 記事の閲覧、コメントの投稿には、会員登録が必要になります。
フォーサイトのお申し込み
注目記事ランキング
  • 24時間
  • 1週間
  • f
最新コメント
最新トピック
  • 新着
  • 高評価
  • コメント数順