米国経済の先行きに不透明感が漂い始める中、8月27日からフロリダ州タンパで共和党全国党大会が開催されるまで1カ月余りとなった。本来ならば現職のバラク・オバマ大統領に挑むミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事の方がオバマ再選に向けた最大の弱点である「経済失政」に焦点を当てて、オバマ大統領に果敢に攻め込む形の選挙キャンペーンを展開していなければならないはずである。だが、ロムニーの選挙キャンペーンは実際にはそのような展開とはなっていない。
最近、オバマ陣営や民主党全国委員会(DNC)は、共和党大統領候補指名獲得を事実上確実にしているロムニーに対してさらなる納税申告の公表を迫り、ケイマン諸島やスイスにおける海外口座情報の開示を求めるなど大攻勢をかけており、ロムニーは防戦一方となっている。
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