灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(71)

執筆者:佐野美和 2019年9月29日
タグ: フランス 日本
エリア: ヨーロッパ アジア
まだ戦争前、家族そろって洋行から帰国した頃(下関市「藤原義江記念館」提供)
 

 藤原歌劇団のプリマ砂原美智子との情事が深いものになるにつれ、義江は砂原に対しサディスティックな傾向を見せるようになり、妻のあきに対しては恐妻家として頭の上がらない夫になっていく。

「不良中年」と「良人」、真逆の二面性の顔を持つようになる。

 オペラ『ファウスト』の大阪公演の時であった。

「奥さまが同じ大阪で、しかも同じホテルにいらっしゃると思うと、私は歌えなくなりそうです」

カテゴリ: カルチャー
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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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