
まだ戦争前、家族そろって洋行から帰国した頃(下関市「藤原義江記念館」提供)
藤原歌劇団のプリマ砂原美智子との情事が深いものになるにつれ、義江は砂原に対しサディスティックな傾向を見せるようになり、妻のあきに対しては恐妻家として頭の上がらない夫になっていく。
「不良中年」と「良人」、真逆の二面性の顔を持つようになる。
オペラ『ファウスト』の大阪公演の時であった。
「奥さまが同じ大阪で、しかも同じホテルにいらっしゃると思うと、私は歌えなくなりそうです」

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