
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』=ダヴィッド社、1956年=より)
義江の「愛の勝者」三上孝子が帝国ホテルにやってこない日の義江は、誰の目にも孤独な淋しい老人に映った。
それでも義江のあくなき食欲だけは旺盛だ。
レストランでは若いボーイにナプキンを首元にかけてもらい、1日も欠かさないという牛ステーキは小さく切ってだされ、震える手でどうにかそれを口にはこんだ。
夜食も欲しがり「今夜は夜中に何を食べさせてくれるのかな」と楽しみにする。

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