灼熱――評伝「藤原あき」の生涯(116)

執筆者:佐野美和 2020年8月30日
カテゴリ: 社会
エリア: アジア
撮影年不詳ながら、義江との離婚、独り立ちを決意した頃のあき(自伝『ひとり生きる』=ダヴィッド社、1956年=より)

 日本の伝統と西洋文化が交わる時代の「おしゃれ」や「化粧方」を説いてきたあきが、顔にかかわるガンになるとは因果なものだった。

「死んだら白一色で飾ってね」

 と常日頃から冗談めいて話していたあきに対し、

「たくさんの白菊にとり囲まれ、透き通った白肌は少女のようでした」

 と秘書の飯島は報道陣に語った。

 あきの深刻な病気の発症は、ちょうど出馬の決まった時期と重なった。

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執筆者プロフィール
佐野美和(さのみわ) 政治キャスター。東京都八王子市出身。株式会社チェリーブロッサムインターナショナル代表取締役。大学在学中、フジテレビの深夜番組として知られる『オールナイトフジ』のレギュラーメンバー「オールナイターズ」の一員として活躍した。1992年度ミス日本に選ばれる。TBSラジオのパーソナリティ、TBSラジオショッピングの放送作家を経て、1995年から2001年まで八王子市議会議員として活動。以後はタレントとしてテレビ出演のほか、講演会も精力的に行う。政治キャスターとしてこれまで600人以上の国会議員にインタビューしている。主な書籍に『アタシ出るんです!』(KSS出版)、『あきれたふざけた地方議員にダマされない!』(牧野出版)などがある。
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