オバマはイスラエルで何を語るのか

池内恵
執筆者:池内恵 2013年2月6日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 中東 北米

 オバマ米大統領がこの春にイスラエルを訪問するという【ワシントン・ポスト紙】【ニューヨーク・タイムズ紙】。ホワイトハウスのカーニー報道官によれば、1月28日のオバマとネタニヤフ・イスラエル首相との電話会談後に持ち上がった話という。訪問の期日は明かされていないが、イスラエルのハアレツ紙や「Yネットニュース.com」では、同国のテレビ局「チャンネル10」の報道を引いて、到着を3月20日としている。

 オバマは大統領就任以来、一度もイスラエルを訪問していない。

「オバマ自身がいつイスラエルを訪問するか、そこで何を語るか」は二期目に入ったオバマ政権の外交の最初の大きな見せ場だろう。

 オバマ大統領はブッシュ政権時に悪化した米国と中東との関係を大幅に改善することを期待されて就任した。高まった期待と比して、一期目に挙げた成果への評価は低い。

 2009年1月の就任直後にミッチェル元上院議員を中東特使に任命し、2009年6月4日のカイロ演説で世界的に喝采を浴びるなど、政権の中東政策への期待の先行を自ら演出した。(池内恵「オバマ政権初年度の中東政策」『国際問題』2010年3月号

 しかし2010年9月にワシントンでイスラエル・パレスチナ直接交渉を招集したものの、その後のフォローアップの段階で急に尻すぼみになった。「鳴物入り」で中東和平仲介を掲げながら、ネタニヤフ首相の強硬姿勢を変えさせるためのレバレッジ(梃子)をなんら用意していなかった点が、オバマ政権の華やかな対中東言説への信頼性を失わせた。

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執筆者プロフィール
池内恵
池内恵 東京大学先端科学技術研究センター准教授。1973年生れ。東京大学大学院総合文化研究科地域文化研究専攻博士課程単位取得退学。日本貿易振興機構アジア経済研究所研究員、国際日本文化研究センター准教授を経て、2008年10月より現職。著書に『現代アラブの社会思想』(講談社現代新書、2002年大佛次郎論壇賞)、『イスラーム世界の論じ方』(中央公論新社、2009年サントリー学芸賞)、『イスラーム国の衝撃』(文春新書)、本誌連載をまとめた『中東 危機の震源を読む』などがある。個人ブログ「中東・イスラーム学の風姿花伝」(http://ikeuchisatoshi.com/)。
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