「輸出世界一」でも不況が続くドイツのジレンマ

執筆者:石山新平 2005年6月号
カテゴリ: 国際 経済・ビジネス
エリア: ヨーロッパ

実に失業者五百万人。輸出は好調でも企業の東欧進出によって国内の空洞化が進む。EU拡大の「明と暗」がドイツで鮮明に――[フランクフルト発]日本のデパートの食料品売り場で手に入る千円ぐらいのドイツワイン。甘さと酸味が適度に交ざり、なかなか美味しい。ラベルをみると「ターフェルヴァイン(テーブルワイン)」と書かれていて、ワインの一大産地「モーゼル」などで瓶詰めされたことが分かる。だがこのワイン、純粋なドイツ産、ましてモーゼル産である可能性はまずない。ひょっとすると中身の半分はドイツ産ではなくハンガリーあたりのワインとブレンドされている。 もちろん、日本で一時、大問題になった産地偽装ではない。このクラスのドイツワインでは合法的に他地域産のワインとのブレンドが認められているのだ。ブレンド用に樽で売買される「樽ワイン」というものがあり、ドイツ産は一リットルあたり一ユーロ弱で業者間売買されている。だが、ハンガリーやルーマニア、ブルガリアなど東欧産の樽ワインとなれば一リットルあたり十五ユーロセント以下(一ユーロ=百ユーロセント)。価格はドイツ産と比べるべくもない。中でもハンガリーは昨年五月に欧州連合(EU)に加盟しており、輸入の手間が大きく減った。

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