ウクライナ危機:共和党の「オバマ外交批判」とゲーツ前国防長官の反論

足立正彦
執筆者:足立正彦 2014年3月27日
カテゴリ: 国際 外交・安全保障
エリア: 北米

 従来から共和党はオバマ政権の外交政策に対しては一貫して厳しい批判を展開してきた。だが、ロシアによるクリミア半島編入を契機として、共和党の有力政治家らによる「オバマ外交批判」は一層強まる状況が生じている。共和党の有力政治家らは、オバマ政権発足以降の過去5年余りのバラク・オバマ大統領の外交姿勢全般が、ウラジミール・プーチン露大統領による今回のクリミア半島編入を誘発したとの批判を展開している。そうした「オバマ外交批判」を行っている共和党の有力政治家の急先鋒は、ディック・チェイニー前副大統領や上院外交委員会に在籍しているジョン・マケイン上院議員(アリゾナ州)、マルコ・ルビオ上院議員(フロリダ州)、ランド・ポール上院議員(ケンタッキー州)、上院軍事委員会に在籍しているリンゼイ・グラム上院議員(サウスカロライナ州)、マイク・ロジャーズ下院諜報特別委員会委員長(ミシガン州第8区)らである。

 2008年大統領選挙で共和党大統領候補としてオバマ氏と大統領の座を争ったマケイン氏は、「オバマは米国を脆弱に映させた(“Obama Has Made America Look Weak”)」と題してニューヨーク・タイムズ紙に3月14日に寄稿している【リンク】。同寄稿の中でマケイン氏は、オバマ大統領の行動には「決意が欠如している」とプーチン露大統領は見透かしたと指摘している。具体例として、オバマ大統領はアフガニスタンとイラクにおける軍事決定は「成功」することよりも「撤退」を希望することに動機付けられ、国防費の削減についても「戦略」ではなく「希望」に基づき行われ、イランや中国は多大なコストを負担せずに近隣の米国の同盟国に脅威を与えてきたとマケイン氏は指摘している。同寄稿を行った後もマケイン氏は、米国の力をもはや誰も信じないことに無頓着なオバマ政権の外交政策の究極の結果が、今回のクリミア危機を発生させたとの痛烈なオバマ外交批判を展開している。

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執筆者プロフィール
足立正彦
足立正彦 住友商事グローバルリサーチ シニアアナリスト。1965年生れ。90年、慶應義塾大学法学部卒業後、ハイテク・メーカーで日米経済摩擦案件にかかわる。2000年7月から4年間、米ワシントンDCで米国政治、日米通商問題、米議会動向、日米関係全般を調査・分析。06年4月より現職。米国大統領選挙、米国内政、日米通商関係、米国の対中東政策などを担当する。
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