サミットはプーチンのために

名越健郎
執筆者:名越健郎 2006年9月号
カテゴリ: 国際
エリア: ロシア

 ロシアが初めて主催したサンクトペテルブルク・サミット(主要国首脳会議)は、「プーチンのプーチンによるプーチンのためのサミット」だった。 プーチン大統領は毎日の日程終了後、記者会見に臨むハッスルぶり。紅一点のメルケル独首相の誕生日にはプレゼントを贈る気配りを見せた。晩餐会で小泉首相とブッシュ米大統領がダンスを踊ると、「さすが同盟国」と冷やかすなどジョークも冴えた。 ブッシュ大統領が「イラクでは自由なプレスも宗教の自由もある。ロシアでも同じことが起きるのを望む」と述べると、「イラクのような民主主義は必要ない」と切り返した。一部世論調査では、サミット後大統領の支持率は80%に跳ね上がった。 サンクトペテルブルクの貧しい家庭に生まれ、KGB(ソ連国家保安委員会)のスパイ生活が長かった暗い大統領にとって、7首脳を郷里に集めたサミットは「プーチン時代のクライマックス」(デリャーギン元下院議員)となった。 サミットの全体会議でプーチン大統領がトイレに立つと、他の首脳がロシアの悪口を言い始めた。 ブッシュ米大統領「ロシアの民主化後退は目に余る」 ブレア英首相「ホドルコフスキー(元ユコス社長)も投獄されたままだ」

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執筆者プロフィール
名越健郎
名越健郎 1953年岡山県生れ。東京外国語大学ロシア語科卒業。時事通信社に入社、外信部、バンコク支局、モスクワ支局、ワシントン支局、外信部長を歴任。2011年、同社退社。現在、拓殖大学海外事情研究所教授。国際教養大学東アジア調査研究センター特任教授。著書に『クレムリン秘密文書は語る―闇の日ソ関係史』(中公新書)、『独裁者たちへ!!―ひと口レジスタンス459』(講談社)、『ジョークで読む国際政治』(新潮新書)、『独裁者プーチン』(文春新書)など。
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