ますます高まるオーストラリアの重要性

野嶋剛
執筆者:野嶋剛 2006年12月号
カテゴリ: 国際 金融

経済・貿易をはじめ日豪関係は良好。安全保障でも新たな関係構築が進み始めた。FTAにも踏み込み「真の補完関係」を築くチャンスだ。「小泉首相が職を辞されるのは本当に残念だ」 九月二十二日、退任を控えた小泉首相にとって最後の首脳会談となる電話会談で、オーストラリアのハワード首相は最大級の賛辞を送った。両人の関係からすれば必ずしも外交辞令ではないだろう。それほど、小泉・ハワード両政権下の日豪は幸福な関係をエンジョイしてきた。 このところ、日本は豪州に救われる局面が相次いだ。イラク・サマワの自衛隊撤退で豪州軍は自衛隊の穴を埋める追加部隊を派遣した。ハワード首相の「小泉を助けたい」という個人的な決断だった。撤退後の治安の乱れを恐れる日本にとって極めてありがたい対応だった。 もう一つは北朝鮮のミサイル実験に対する制裁での共同歩調。九月十九日、日豪両政府は国連安保理決議に基づく北朝鮮への金融制裁を同時発動した。 日本単独での制裁とでは国際社会に与える印象が格段に違う。豪州は北朝鮮と国交がある国でもある。ただ豪州で制裁関連企業の活動はない。豪州の対応は事実上、日本への援護射撃だった。小泉前首相のハワード首相への電話はサマワと北朝鮮の件で日本の感謝を伝えるものだった。

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執筆者プロフィール
野嶋剛
野嶋剛 1968年生れ。ジャーナリスト。上智大学新聞学科卒。大学在学中に香港中文大学に留学。92年朝日新聞社入社後、佐賀支局、中国・アモイ大学留学、西部社会部を経て、シンガポール支局長や台北支局長として中国や台湾、アジア関連の報道に携わる。2016年4月からフリーに。著書に「イラク戦争従軍記」(朝日新聞社)、「ふたつの故宮博物院」(新潮選書)、「謎の名画・清明上河図」(勉誠出版)、「銀輪の巨人ジャイアント」(東洋経済新報社)、「ラスト・バタリオン 蒋介石と日本軍人たち」(講談社)、「認識・TAIWAN・電影 映画で知る台湾」(明石書店)、訳書に「チャイニーズ・ライフ」(明石書店)。
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