【インタビュー】クリス・ワイツ(映画監督) 壮大なスケールの物語がいま始まろうとしている

執筆者:草生亜紀子 2008年3月号

 物語は、まだ始まったばかり。だが、続きを語れるかどうかは、この第一作の興行成績にかかっている――という難しい課題に挑戦したのは、三十八歳のクリス・ワイツ監督だ。 映画『ライラの冒険 黄金の羅針盤』は、イギリス人作家フィリップ・プルマンによる長編三部作『彼の暗黒物質(His Dark Materials)』=邦題は『ライラの冒険』=の第一部に過ぎない。『黄金の羅針盤』は一九九五年、第二部『神秘の短剣』は九七年、第三部『琥珀の望遠鏡』は二〇〇〇年にイギリスで出版されて数々の賞に輝き、米ワシントン・ポスト紙は「過去二十年間で最高のファンタジー小説」と絶賛した。世界で千五百万部以上が売れており、英BBCテレビによる「英国民に過去最も愛された小説」調査では『ハリー・ポッター』を押さえ、『指輪物語』『高慢と偏見』に次いで三位に選ばれた。 文庫にして二千ページを超える長編をごく簡単に説明すれば、十一歳の少女ライラが、真実を告げる黄金の羅針盤と、自らの分身「ダイモン」、そして勇敢な少年をパートナーに、私達の世界と似て非なるパラレル・ワールドを舞台に、運命に従って世界を危機から救うというファンタジーだ。根底に流れる主題は権威主義と個人の自由の対立であり、人間性の解放である。

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