少年オバマがインドネシアで出会った「パンチャシラ」とは何か

執筆者:村上直哉 2009年1月号
カテゴリ: 国際

[ジャカルタ発]「バリーはよく大きな声でパンチャシラを唱えていたわ」。二〇〇九年一月、黒人として初めて米大統領に就任するバラク・オバマ氏は、一九六七年から四年間、少年時代の一時期をインドネシアの首都ジャカルタで過ごした。小学校の同級生で現在、国会議員のデヴィ・アスマラ・ウトヨさんは、オバマ氏のことを当時の愛称で呼びながら、懐かしそうに振り返る。 デヴィさんのオバマ氏に対する印象は利発で活発ないたずらっ子。ハワイから引っ越してきて、わずか三カ月でインドネシア語を習得。毎週月曜日の朝礼の時間には、授業で学んだパンチャシラを暗記するために大声で連呼していたという。 パンチャシラとは何なのか? もともとインドのサンスクリット語で「五つの徳の実践」を意味する言葉で、建国五原則ともよばれるインドネシアの国是だ。初代大統領スカルノ氏が提唱し、独立宣言時に制定された「一九四五年憲法」の前文にその五つの文言が刻まれている。●唯一神への信仰●公正で文化的な人道主義●インドネシアの統一●合議制と代議制における英知に導かれた民主主義●全インドネシア国民に対する社会的公正 重要なのは、信仰の箇所でイスラム教だけでなく、キリスト教、仏教、ヒンズー教などの信仰の自由を認めていることだ。

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