ソニーがサムスンを追撃 家電、通信、金融で日本企業が本格進出

執筆者:山田剛 2009年12月号

 日本企業によるインド・ビジネスが規模、業種ともに拡大し始めた。これまではスズキやデンソーなど自動車関連メーカーが対印投資の中心だったが、韓国勢に後れを取っていた家電メーカーをはじめ、エネルギー、通信、金融など多彩な企業が相次ぎインドでの事業をスタート、強化している。 ソニーは二〇〇八年度、液晶テレビの出荷を前年比約四倍に増やし、シェア二九%で首位の韓国・サムスンと約三ポイント差に肉迫。所得の増加で、割高だが高品質の日本製家電がインドでも売れることを実証した。ノートパソコンでも来年度にシェア二〇%の大台を目指す。 パナソニックは一二年にも新たな家電工場を完成させる。白物家電などの現地生産を本格化させ、シェア上位を独占するLG、サムスンの韓国勢追撃を図る。また、パナソニック電工は九月、印電設資材大手アンカー・エレクトリカルズの完全子会社化を発表。今後有望な建設・住宅関連市場に斬り込む。 大手財閥タタ・グループとの合弁で携帯電話サービスを開始したNTTドコモは、年内にもインド北部を含む全国展開をほぼ完了する。米リーマン・ブラザーズのインド部門を買収した野村ホールディングスは七月、印生保最大手の運用子会社への出資を発表。投信などでの合弁事業で三千億ドル以上とされるインドの金融資産を狙う。IT(情報技術)でも昨年以降、日本ユニシスや伊藤忠子会社、NECなどが相次ぎ印大手と本格提携に乗り出した。

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執筆者プロフィール
山田剛 日本経済研究センター主任研究員。1963年生れ。日本経済新聞社入社後、国際部、商品部などを経て、97年にバーレーン支局長兼テヘラン支局長、2004年にニューデリー支局長。08年から現職。中東・イスラム世界やインド・南アジアの経済・政治を専門とする。著書に『知識ゼロからのインド経済入門』(幻冬舎)などがある。
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